東洋経済大丈夫か？| 個人ブログを書くのは本人の勝手だが、掲載する媒体の信頼性に傷がつくよ

東洋経済のオンラインサイトには個人ブログレベルの記事が書かれていることも多いです。レベルが高いものもありますが、とても読んでいられないと言う酷いものも少なくありません。

他人事ですけど、こういうのを読んでいると、ちょっと不安になってしまいます。自社の名前のサイトを作っているのですから、最低限の質は保った方が良いと思うのですけどね。

例えばこんなものも混じっているのです

例えば、次の記事はタイトルに興味を持って読んでみましたが、非常にがっかりしました。

■ 安倍首相、国民はアベノミクスを認めてません

特に酷いと思ったのが、論理展開のさせ方です。良い指標もあるが悪い指標もあると指摘した上で、悪い指標があるからぜんぜん駄目と言わんばかりの書き方をしているのです。結論ありきで書いているのがバレバレじゃん。

挙句の果てに、「日経平均株価は、日本経済を映していない」ですって。そしてその理由が、次のように説明されています。

株高も、要するに日経平均に採用されるような大企業の株が上がっているということだけで、その内実は輸出に傾斜した大企業の株がインデックスに多数入っているわけで、日経平均が日本経済を映しているなどと思ったら大間違いでしょう。

日経平均株価指数が大型のハイテク株の影響を受けやすいのはその通りです。でも、それだったら、違う指標で見てみればいいんですよね。違う指標では株価がそれほど上がっていないのなら、この方の説は多少なりとも説得力を持ちます。

例えば、もう少し小さい企業の株式も考慮したければ、東証一部の全銘柄が対象になっているTOPIX を見れば良いはずです。比較的小さい企業だけに絞りたければ、新興企業の指数であるジャスダックを見ても良いはずです。

これをしないで、なぜ大型株だけが上がっていると批判できるのでしょうか？簡単にチェックできるのだから、してみれば良いのです。



上のチャートを見ると、一目瞭然ですよね。日経平均以外の株価指数も過去１年で大幅に上昇していることが分かります。その上、一番パフォーマンスが良いのは、日経平均ではなく新興市場のジャスダックなのです。上の図だと緑のラインですね。

こんなに簡単に確認できることを確認しないで、大企業だけが集まる日経平均だけが上がっているなんて、さすがに酷い嘘ですよね。意図的にやっているとしたら、そうとう悪質です。

ちなみに、日経平均やTOPIX に連動する、上場投資信託（ETF）という商品があります。こういった商品を使えば、気軽に日本株全体に投資することが可能です。

民主党批判をしているけど批判のロジックが民主党と同じ

この方はアベノミクス以上に民主党を批判しているようです。でもやっていることは民主党と同じなんですよね。まだ上手くいっていない部分があるから評価できないと言うロジックは、民主党の人たちが参院選で使っていてロジックですから。

それに、全部の分野が同時に改善しないのは、経済の常識のはずなんですけどね。そんな常識も無視ですか？

そもそも、アベノミクス批判で円安とか株高を持ち出すのがおかしいんですよね。アベノミクスの本質は、量的緩和によるインフレ政策でしょうから。その部分は気にならないのでしょうか。

なんだか、批判のための批判をしているようで、とても嫌な感じです。批判的なことを書いた方が、ブログの受けが良いのかなあ。

東洋経済は大丈夫なのか？

まあ、この方が何を書こうと、個人のブログレベルなら勝手な話です。でも、東洋経済という、それなりに信頼のある媒体に乗せる以上、話は単純ではありません。メディア自体の信頼性も問われてしまいますからね。

率直に言って、私の中では東洋経済に対する信頼はかなり落ちました。ネットだから質が悪いものを垂れ流してもＯＫというスタンスだと、痛い目を見る気もしますけど。